10月に入り、ようやく秋らしい気温になってきましたね。
今年の秋冬に何を着ようかな、履こうかな。。。とコーディネートを考え始める頃でしょうか。
今回は秋冬の足もとに欠かせない、ブーツについてのまとめです。
ブーツといえば丈の長さが重要です。例えば筒丈で種類を分けてみると...
・ブーティ→踝が隠れる位の短い丈
・ショートブーツ→足首～ふくらはぎ位までの丈
・ロングブーツ→ひざ下～膝にかかるくらいの丈
・ニーハイブーツ→ひざ上丈
・サイハイブーツ→太ももまでかかる丈 ＊サイハイのサイはthigh＝太ももの意味です。
そして今や定番となったブーツの形状の名称はこんな感じです。
①レースアップブーツ
レース＝靴ひもを交互に上まで締めたたブーツのこと。
丈やヒールの高さも色々種類がございますが、総称としてこう呼ばれています。
内側にファスナーがついていても、センターが編み上げになっていればレースアップブーツです。
卒業式の袴姿にも、多くの方はレースアップブーツですよね。
このスタイルは絶対的な決まり事ではありません。
明治時代に西欧文化の導入とともに、椅子に座る文化が主流となり生活スタイルが徐々に変わってきた事と、
女学生の間で着物にブーツがお洒落といった感じで広まったそうです。
卒業式の頃は寒いので、草履に比べて暖かいのも採用された理由の1つだそうです。
②サイドゴア
内外の両方にゴムが付いたショートブーツ。
見た目がシンプルでどんなお洋服にも取り入れやすく、着脱も簡単なのでカジュアルなイメージを
持つ方も多いかと思いますが、実は歴史のある形状。
原型は19世紀に英国ヴィクトリア女王のため、着脱が容易で足にフィットする靴をと
ゴア仕様のショートブーツが生み出されました。
この形状を夫のアルバート公も好んで公務で履かれていたそうです。
そしてアメリカではコングレス（議会）ブーツと呼ばれやはり仕事場で使用されていました。
現代のようなカジュアルな印象になったのはビートルズが履いた頃から、アーティストの
ファッションとして世間が認知し取り入れていったからではないかと考察しております。
③ジョッキーブーツ
ロングブーツの中でも膝下丈の長さのブーツで、足のラインに沿ったシルエットが特徴です。
その名が示すとおりヨーロッパの貴族が乗馬のときに用いたブーツが原型となっています。
つま先が細めのデザインになっているのは、馬に乗る際に足を通す鐙（あぶみ）という
用具を探しやすくする為だそうです。
乗馬用として発展したのは18世紀頃。その後騎兵が戦争における主な戦力であった第一世界大戦では、
乗馬用ブーツは軍靴として使用されていました。
④ムートンブーツ
ムートンの毛足がもこもこした印象はブーツのみならずジャケットやバッグ等、
冬の定番素材になりましたね。
ムートンとは羊の革のこと。英語表記でいうシープスキンは、フランス語表記だとムートンです。
羊の革をスエード状に起毛してブーツに使用しています。靴底はフラットソールが主流です。
オーストラリア発祥、元々は羊飼いたちの履くブーツで見た目よりも保温性と通気性を兼ね備えた
機能性重視で利用されていました。あの形状と縫製方法なのもなるほどです。
現代ではサーファーが海から上がってそのまま素足で履くという
新たな利用方法や有名セレブの着用から世間にひろまっていきました。
⑤ウエスタンブーツ
カウボーイが使用する乗馬靴。
ジョッキーブーツと同じ理由で鐙（あぶみ）に足を通し易くする為につま先を鋭い形状にしています。
落馬の際に足が抜けやすくするため踵が高く、ベルトやひもなしでも履けるように筒は太めに設計されています。
履き口の両サイドに付けられたループを引っ張って着脱します。脱ぐ際に踵をひっかける道具なんかもあります。
ステッチで美しい柄を描いているものは、街へ出かける際のドレス用だそうです。
他のブーツとはまた違う世界観。個性的な方にお勧めです。
そもそもの用途や機能があるものが時代に合わせてファッションに落とし込まれていった、
といった流れが見えてきますね！
